高齢者住まいアドバイザー検定/介護離職防止の基礎知識⑪「介護が必要となった原因」

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介護離職防止の基礎知識⑪「介護が必要となった原因」

2017/07/04

介護離職する方は相当な決断だったと思います。

介護を理由に仕事を辞めなくてはいけない方、日中の大部分を介護に費やしている方は、どんな方を介護されているのでしょうか。

介護が必要になった原因には、どのような症状があるのでしょうか。

第11回目では、介護が必要となった原因について掲載していきます。

介護が必要となった原因

超高齢化社会に入り、介護が必要な方も多くなっています。
何が原因で介護が必要となるのでしょうか。

介護が必要となる主な原因は、

1位は認知症
2位が脳血管疾患(脳卒中)
3位が高齢による衰弱

他には骨折・転倒、関節疾患があります。(図1参照)

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1位は認知症です。

認知症は「脳の細胞が壊れる」ことが直接の原因であると言われています。
認知症の症状は人によって大きく違い、ある程度分類はできますが、症状が重複する方もいるようです。

主な症状としては
「記憶障害」→昔のことや、直近に会った事柄が、記憶から抜け落ちてしまう。
「見当識障害」→日時・場所の理解や方向感覚などが失われる。
「判断力の障害」→行動の目的が定まらないなど、行動するうえで支障となる。
「失語」→「聞く・話す・読む・書く」といった言語情報に関わる機能が失われた状態
「失認」→「五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)」を正しく把握することが難しい。
「失行」→運動機能に問題ないにも関わらず、目的とする行動の方法が分からなくなる。
「徘徊」→目的地に自力でたどり着くことはほとんどない。行方不明となることもある。
「物盗られ妄想」→いつ、どこに、何をしまい込んだかを忘れてしまう。誰かが盗んだのではないかと一緒に住む家族や介護者に疑いの目を向けるようになります。
「せん妄」→意識障害が起こり、頭が混乱した状態になっている。大声を出したり、暴力が見られる。
「幻覚と錯覚」→実際には無い物を感じるものです。全てがリアルに見えたり感じたりしています。
他にも、「抑うつ」「暴言・暴力」「失禁」「睡眠障害」「異食」「食べない」などの症状があります。

2位の脳卒中です。

患者数が多く、命にかかわることの多い病気です。
脳卒中の中でも脳梗塞が最も多く、脳の血管に血液の塊が詰まることが原因です。

一命を取り留めた場合でも半身の麻痺や言語障害などの後遺症が残ったり、寝たきりになったりするなど、介護につながることがとても多い病気と言えます。

脳梗塞による半身の麻痺や言語障害などの後遺症が残った場合は、リハビリに取り組み、機能回復を図ります。
リハビリ専門の医療機関以外にも、介護施設を活用したリハビリも多く行われています。

3位は高齢による衰弱です。

 高齢による衰弱とは、「筋力の衰え、歩行速度の低下、活動量の低下、疲労、体重減少」の5つの判定項目の中で、3つ以上に該当する場合に衰弱している状態といわれています。

高齢による衰弱

予期せぬ介護


脳血管疾患(脳卒中)や骨折・転倒のように予期せぬ病気やけがにより介護が必要になることがあります。

それまでは、不自由ない生活を送っていたために、突然のことで動揺する方も多いと思います。
また、後遺症により在宅介護が難しくなり、退院とともに急遽施設などを探される方も少なくありません。
事前に介護や福祉に関しての知識をもっておくことで、本人だけではなく、家族への負担軽減につながります。

介護負担につながりやすい介護


認知症や高齢による衰弱などのように、ある一定の症状が出るまでは、家族などが介護をすることが多いと思います。
そのため、気づかないうちに自分たちで背負ってしまうことが多くみられます。そのため、老老介護や介護離職につながることもあります。

本人と介護者と互いに相談し、介護者に負担がかかりすぎないように、上手に介護サービスや施設などを活用していく必要があります。そのためには、症状が重くなってからではなく、事前に福祉への知識をもっておくことが大切です。

*介護はいつ必要になるかわかりません。突然やってくるかもしれません。
 そのためには事前に介護サービスや制度をしっかり理解しておくことで、老々介護や介護離職の防止につながっていきます。

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